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お金記事 No.180

GPIFの25年と、私の9年|年金の運用から学んだ6つのことで、50代の資産配分を答え合わせした

📌 この記事でわかること

国民の年金を運用するGPIFは、2025年度に+16.47%、25年間で累積196.9兆円の収益を出しました。でもマイナスの年も7回あります。公式データ25年分から、個人の資産形成にも当てはまる6つの学びを取り出し、43歳から9年間投資を続けてきた52歳の私の実際と答え合わせしました。

私たちの年金の積立金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、毎年、運用の成績をすべて公開しています。

2025年度(2025年4月〜2026年3月)の成績は、+16.47%。金額にすると+41兆3,995億円です。

9月にこの年次報告(業務概況書)を読んで、私は自分の資産配分をGPIFの原則で採点しました。結果は、5つのうち2つが不合格でした(くわしくはnoteに書きました)。

今回は、もう一歩さかのぼります。GPIFが市場での運用を始めた2001年度から2025年度までの25年分の数字を、公式のデータで並べてみました。

そこから見えてきたのは、プロにも個人にも当てはまる6つの学びです。43歳から9年間、投資を続けてきた私の実際とも、答え合わせをしてみます。


GPIFの25年を、1枚の表で

まず、25年分の成績です。「1位」と「最下位」は、4つの資産(国内債券・外国債券・国内株式・外国株式)の中で、その年にいちばん良かったもの・悪かったものです。

年度 全体 1位の資産 最下位の資産
2001 −1.80% 外国債券 +6.20% 国内株式 −17.05%
2002 −5.36% 外国債券 +15.23% 外国株式 −32.23%
2003 +8.40% 国内株式 +50.30% 国内債券 −1.82%
2004 +3.39% 外国株式 +15.43% 国内株式 +1.64%
2005 +9.88% 国内株式 +50.14% 国内債券 −1.40%
2006 +3.70% 外国株式 +17.50% 国内株式 +0.47%
2007 −4.59% 国内債券 +3.31% 国内株式 −27.97%
2008 −7.57% 国内債券 +1.35% 外国株式 −43.21%
2009 +7.91% 外国株式 +46.11% 外国債券 +1.32%
2010 −0.25% 外国株式 +2.18% 国内株式 −9.04%
2011 +2.32% 外国債券 +4.77% 外国株式 +0.49%
2012 +10.23% 外国株式 +28.91% 国内債券 +3.68%
2013 +8.64% 外国株式 +32.00% 国内債券 +0.60%
2014 +12.27% 国内株式 +30.48% 国内債券 +2.76%
2015 −3.81% 国内債券 +4.07% 国内株式 −10.80%
2016 +5.86% 国内株式 +14.89% 外国債券 −3.22%
2017 +6.90% 国内株式 +15.66% 国内債券 +0.80%
2018 +1.52% 外国株式 +8.12% 国内株式 −5.09%
2019 −5.20% 外国債券 +3.55% 外国株式 −13.08%
2020 +25.15% 外国株式 +59.42% 国内債券 −0.68%
2021 +5.42% 外国株式 +18.48% 国内債券 −0.99%
2022 +1.50% 国内株式 +5.54% 国内債券 −1.74%
2023 +22.67% 国内株式 +41.41% 国内債券 −2.00%
2024 +0.71% 外国株式 +6.62% 国内債券 −4.47%
2025 +16.47% 国内株式 +34.62% 国内債券 −5.11%

(GPIF公表データ。収益率は運用手数料等の控除前。2001〜2019年度の全体は修正総合収益率、2020年度以降は時間加重収益率)

25年をならすと、年率+4.67%。累積の収益は+196兆9,306億円です。2025年度末の運用資産は293兆6,437億円になりました。


学び① 1年の成績で、良い・悪いを決めない

25年のうち、全体がマイナスだった年は7回ありました。いちばん悪かったのは、リーマン・ショックのあった2008年度の−7.57%です。

それでも、25年をならせば年率+4.67%。マイナスの年は「失敗」ではなく、長く続けていれば必ず来るものとして、最初から計算に入れておくものだと分かります。

私の場合

正直に書きます。2020年3月、2022年、2024年8月。私は3回とも「売ろうか」と迷いました。

迷ったのは、いつも特定口座の分でした。iDeCoは、そもそも60歳まで売れません。結果として、私は一度も売っていません。でもそれは意志が強かったからではなく、売れない仕組みに助けられた面が大きいと思っています。

ちなみにGPIFは、2019年度に−5.20%となった翌年、2020年度は+25.15%でした。


学び② いちばん良い資産は、毎年入れ替わる

25年間で、1位になった資産の回数を数えてみました。

資産 1位になった回数
外国株式 10回
国内株式 8回
外国債券 4回
国内債券 3回

株が強いのは確かです。でも、私がいちばん目を引かれたのは別のところでした。

全体がマイナスだった7回のうち6回は、1位が債券でした。株が大きく下がった年に、全体を支えていたのは債券だったのです。来年どの資産が伸びるかは、プロでも当てられません。だからGPIFは、4つの資産に分けて持っています。

私の場合

私の資産(約4,900万円・2026年9月時点)の内訳は、次のとおりです。

資産 金額 割合
株式(インデックス投信・日本株・海外ETF) 約3,400万円 約69%
駐車場 約1,000万円 約20%
現金 約500万円 約10%
債券 0円 0%

債券はゼロです。株が大きく下がった年に支えてくれる役は、現金(生活防衛費)と駐車場の収入が担っている形です。債券ゼロの私が債券について調べたことは「50代の債券の考え方」に、株が大きく下がったときの試算は「リーマン級の暴落が来たら、私の4,900万円はいくらになるか」に書いています。


学び③ 決めた割合に「戻す」

GPIFは、4つの資産を25%ずつ持つと決めています。2025年度は株が大きく上がった年でしたが、年度末の割合は、国内債券25.37%・外国債券25.00%・国内株式24.31%・外国株式25.32%。ほぼ25%ずつに収まっていました。

上がったものを少し減らし、下がったものを少し足す。いわゆるリバランスです。

私の場合

ここは、正直に不合格です。9年間、一度もリバランスをしていません。9月にnoteでそう書いてから1か月あまり。今も、何も変えていません。

株式の割合が約69%になっているのは、狙った結果ではありません。積立を続け、株価が上がって、結果としてそうなっていただけです。何%から何%の間に収めるか、という自分の「戻すルール」を、まだ決めていない。これが今の私の宿題です。


学び④ コストを低く抑える

GPIFが外部の運用会社に払っている手数料は、2025年度で571億円。運用している額に対して0.02%です。

私の場合

私が積み立てているいちばん大きなファンドは、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。次が「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」。信託報酬(運用にかかる手数料)は、それぞれ年0.08140%以内・年0.05775%以内です(三菱UFJアセットマネジメントの目論見書)。

GPIFの0.02%にはかないません。それでも、個人が買える中ではかなり低い水準です。手数料は、どんな相場の年にも必ず引かれます。長く持つほど差が開くので、ここは数少ない「自分で確実に決められること」だと思っています。


学び⑤ 金利が上がる時期は、「安全な債券」も値下がりする

25年の表の右の列を見てください。最近は、国内債券が毎年のように最下位です。2023年度−2.00%、2024年度−4.47%、2025年度−5.11%と、3年続けてマイナスでした。

国内の金利が上がると、すでに持っている債券の値段は下がります。その代わり、これから受け取る利息は増えていきます。「債券は損をしない」のではなく、金利が動く時代には、債券も値動きする資産だということです。

私の場合

私は債券を持っていないので、この値下がりの影響は受けていません。ただ、金利が上がる時代の影響は、借りる側にも出ます。私が昔借りていた住宅ローンと奨学金を、今の金利で計算し直した話は「住宅ローン「50年返済」の記事を読んで、昔の借金を今の金利で計算し直した」に書きました。


学び⑥ 利子・配当の積み重ねと、「実質」で考える

GPIFの累積の収益196.9兆円のうち、約3割(61兆3,892億円)は利子・配当の収入でした。値上がりだけでなく、毎年受け取るお金の積み重ねも、大きな力になっています。

もう一つ、GPIFは目標を「賃金の伸びを上回ること」に置いています。増えた金額そのものより、物価や賃金の伸びに負けていないかを見ているのです。賃金の伸びを差し引いた実質の利回りは、2001年度からで年率+4.33%でした。

私の場合

私が日本株と米国株から受け取った配当(税引き後・駐車場の収入は含まない)は、次のように増えてきました。

年 受け取った配当
2022年 6万9,683円
2023年 18万3,137円
2024年 30万1,128円
2025年 45万1,128円
2026年 約57万円(見込み)

2022年の約7万円が、2025年には約45万円。3年で約6.5倍になりました。受け取った配当は、ほぼ全額を再投資しています。配当で買い足した株が、次の年にまた配当を生む。GPIFの「利子・配当の積み重ね」を、私も小さな規模でなぞっている形です。

駐車場以外の金融資産(積み立てたお金を含む)は、次のように増えてきました。

時点 駐車場以外の金融資産
2023年12月末 2,235万1,622円
2024年12月末 2,825万9,768円
2025年12月末 3,341万9,989円
2026年10月 約3,900万円

この増え方には、毎月の積立(新NISA月10万円・iDeCo月2万円)や配当の再投資など、自分で入れたお金も含まれています。運用の利回りではないので、GPIFの+16.47%と同じものさしでは比べられません。それでも、入れ続けること、受け取った配当を使わずに戻すことが、この数字の土台になっていると感じています。


答え合わせのまとめ

GPIFの学び 私
① 1年の成績で決めない △ 3回迷った。売らなかったのは仕組みのおかげ
② 分けて持つ △ 株式約69%・債券0%。支えは現金と駐車場
③ 決めた割合に戻す ❌ 9年間リバランスなし。ルールも未定
④ コストを低く ⭕ 主力のファンドは年0.06〜0.08%
⑤ 金利で債券も動く ー 債券は持っていない
⑥ 配当の積み重ねと実質 ⭕ 配当は2022年の約7万円→2026年は約57万円の見込み。ほぼ全額を再投資

GPIFの25年が教えてくれるのは、特別な技ではありませんでした。分けて持つ。決めた割合に戻す。安く持つ。受け取ったものを積み重ねる。そして、悪い年があっても続ける。どれも、個人でも今日からできることです。

私に足りないのは、③の「戻すルール」です。何%から何%の間に収めるか。次に資産を見直すときまでに、自分の言葉で決めたいと思います。

今日の一歩として、ご自分の資産を「株式・債券・現金・そのほか」の4つに分けて、割合を書き出してみてください。GPIFの「25%ずつ」と比べるだけでも、自分の配分の形が見えてきます。


出典

  • 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「2025年度 業務概況書」2026年7月公表
  • GPIF「2025年度の運用状況」公表データ(収益率・収益額・運用資産額・資産構成割合・管理運用委託手数料)
  • 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」投資信託説明書(2025年1月)/「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」交付目論見書(2024年7月)

※本記事の情報は2026年10月時点のものです。


※本記事は筆者個人の体験と見解に基づくものです。特定の金融商品や資産配分を勧めるものではありません。 投資にはリスクがあり、元本割れの可能性があります。投資の判断は、ご自身の状況に合わせてご自身で行ってください。

この記事を書いた人

マネーコンパス(52歳・会社員)

43歳・貯金ゼロから資産形成を始め、9年で資産4,900万円・不労所得は月6.6万円に。 新NISA・配当株・固定費削減を、すべて自分の実体験にもとづいて発信しています。

詳しいプロフィールと資産の内訳を見る →

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